【お願い】電子お薬手帳 それだけじゃダメなんです【お願い】
電子お薬手帳に切り替えようと思っている人は、今までの紙のお薬手帳も併用した方がよいというお話です。
服用している薬によっては、紙の手帳をやめてしまうと命にかかわる場合もありますので要注意です。
デジタル後進国の日本は、ようやくデジタル庁を設置してデジタル化に本腰をいれていますが・・・
その流れに乗って、お薬手帳も電子化することは理にかなっているように見えます。
でも、
手帳をデジタル化しないことは、少なくとも今の時代ではカッコ悪くないです。
お薬手帳のメリット、デメリットなどから説明します。
下記のサイトより引用し加筆しました。
電子お薬手帳のメリット
一般的な電子お薬手帳のメリットについて解説するよ
・持ち忘れを防止できる
毎日必ず持ち歩くスマートフォンで管理できる
手帳持参で薬局の負担金も安くなります。
スマホに電子お薬手帳が入っていれば確かに手帳忘れを防げます。
・情報の記録が手軽
薬の情報をQRコードで読み取るだけで、自動的に記録することができます。
とありますが、紙の手帳なら、薬局に出せば薬局がシールで記録してくれます。
自分で記録する分、かえって電子お薬手帳は手間がかかります。
・家族全員の情報が共有できる
電子お薬手帳では、家族全員のお薬情報を共有・確認することができます。子供を急に病院に連れていかなければならない場合や、遠方で離れた両親の薬の管理、付き添いの際にも役立ちます。
とありますが、子供を病院に連れて行くときは保険証と母子手帳とセットで携帯することが普通です。
そして、遠方の親の薬の処方を、離れて暮らす子供が見る必要があるのかも疑問です。
本当にその機能必要?
・スマートフォンの紛失・故障時にも安心
薬の情報は、自動的にサーバーに保管(※)されるため、スマートフォンの紛失や故障などにより機種変更をした場合でも、同じデータを閲覧することができます。
データが残り続けることは便利かもしれませんが、お薬手帳で重要なのは、
- 今飲んでいる薬
- 今まで服用して副作用が出た薬
です。
今まで服用して大丈夫だった薬の情報も重要ですが、どこまで必要かは判断が分かれると思います。
・便利な機能が搭載されている
電子お薬手帳には、電子版ならではの便利な機能が搭載されています。
薬の名前、服用時間、1回の服用量を入力することで服用時間にアラーム通知される「アラーム機能」は、飲み忘れの防止に役立ちます。また、カメラで撮影した処方箋を事前に薬局に送信できる「処方箋画像送信機能」を利用すれば、薬局での待ち時間を軽減することが可能です。
処方箋の画像送信は使用するかもしれませんが、それだけの機能で十分な人も多いと思います。
一方、電子お薬手帳推進派が示すデメリットもあります。
電子お薬手帳のデメリット
電子お薬手帳のデメリット
・高齢者には不便
高齢者というより、「デジタル機器に不慣れな人には不便」ということでしょう。
結構高齢者に対して失礼なことを言いますね(笑)
・セキュリティ面の不安
お薬手帳に記載されている事項は、重要な個人情報です。データの扱いにはセキュリティの確保が強く求められますが現状、リスクの管理において、電子お薬手帳には不安があるという声もあります。
たしかに情報が漏洩した場合、紙のお薬手帳よりも被害は大きいかもしれません。
・電子お薬手帳によって仕様が異なる
現状では、アプリによって電子お薬手帳の仕様が異なり、機能にばらつきがあります。
操作方法の違いもあり、対応に手間取ることもあるようです。また、飲み合わせの確認などには、スマートフォンの画面を見せなくてはならない場合もあります。
便利なはずの電子お薬手帳ですが各社様々な仕様で作るので、操作方法を聞かれても薬局ではわからないこともあります。
電子お薬手帳は、メーカーによって使い方がバラバラで、互換性もない。
以上、下記のサイトより引用し加筆しました。
普及が進む電子お薬手帳のメリット・デメリット|薬剤師の求人・転職情報ならアポプラス薬剤師 (apo-mjob.com)
電子お薬手帳 〇ソなデメリット
ここからは、一般的な電子お薬手帳の話ではなく、現場からの率直な内容です。
病院や薬局で提示することが面倒
スマートフォンに表示された画面を見せられても、それを全部手書きで写せと?
紙の手帳ならそのままコピーかスキャナーで取り込めます。
他人のスマートフォンを渡したりするやり取りも、非常に気を使うと思います。
専用のアプリに対応して薬局で読み出せる機能が付いていることもありますが、それを使いこなしている患者さんは稀です。
病院ではまずそのようなアプリに対応していません。
電子お薬手帳の提示は、薬局のみならず病院からも不評です。
事故や急病の緊急時に使えない
電子お薬手帳のアプリは、いつでも自分が開けるとは限りません。
- 事故で救急搬送される
- 病気で救急搬送される
そんな時に、救急隊の方々は、その方の病状に合わせて受け入れ先を探します。
その際に役に立つのがお薬手帳です。
お薬手帳を一通り確認することは、救急隊が適切な搬送先を決める判断材料となっています。
じゃあ、電子お薬手帳で、だれもスマホアプリを開けなかったらどうするのでしょうか?
救急隊の方に質問してみました。
お薬手帳の目的って何でしょうか?
中には、シールの貼り方にこだわって、自分だけの【お薬日記】みたいにしている人もいます。
自分の薬を把握することは重要ですが、しかし、
お薬手帳は自分が見るためだけのものではありません。
お薬手帳が普及して長くたつので、改めてその意味を考える機会が減っているかもしれません。
かかりつけ医以外にかかる際に、併用薬をスムーズに伝えて、悪い飲み合わせや副作用を回避する
という日常の目的のほか、
大規模災害時などに持病の薬が切れた際に、つなぎで診察を省いて薬を出してもらう
自分が意識不明になった際の処置において、必要な併用薬の情報を救急医に提供する
という意味が大きいと思います。
災害時のとっ散らかった調剤所で、
スマホを渡してやり取りをすることは面倒ではないか?
電波は大丈夫か?
サーバーはダウンしていないか?
自分が倒れた時は、だれが服用薬の情報を医師に伝えてくれるだろうか?
そのような緊急時の対応を考えて、電子お薬手帳だけで大丈夫か、今一度考えてみてほしいと思います。
電子お薬手帳だけで完結
電子版と併用し紙の手帳を使用する。
両方使っていても、薬局は別料金を取ったりしません。
ショッピングセンターで倒れた人のお薬手帳を、居合わせた看護師さんが確認して低血糖を疑い、糖分を与えて回復した!
などという神プレーを聞くことがあります。
今後、マイナンバーカードなどでデータが紐づけされ、救急隊などでもかざすだけで情報が共有されたりするシステムが整備されることを願います。
それでも、大規模災害時にインフラがダメージを受けてしまったら、結局は紙の手帳が安心ということになるのかもしれませんが・・・。