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転職するにあたって、年収UPが条件という方は多いと思います。
もしくは、別業界から転職であっても、転職先の給与が上昇傾向かどうかということは関心が高いと思います。
年収UPには、一般的に
- 昇進
- ベア(ベースアップ)
がありますが、誰でもできることとして、残業による年収UPがあります。
転職先の会社が昇進しやすい環境や、ベースアップしやすい環境、さらには残業に寛容な環境であるかが年収UPに重要になります。
そして、労働者が年収を上げるために必要な条件は、会社の業績が良いことがあげられます。
会社の業績が良ければ、業務拡大でポジションが生まれ、昇進の機会が増えます。
会社の業績が良ければ、ベアも受け入れられやすく、残業による人件費上昇も大きな問題となりません。
ただ、ひとたび業績が下降し始めると、すべてが逆回転し始めます。
昇進のポジションはなくなり、残業による人件費も削減対象となります。
つまり、会社が今、上りのエスカレーターとなっている場合は、自分は止まっていても上に上がります。
逆に、下りのエスカレーターに乗ってしまったら、上へあがるためには何倍もの努力が必要です。
転職先は、当たり前のことですが上りのエスカレーターを選ぶ必要があります。
最初に提示される年収に加え、今後の年収上昇スピードも大切です。
どんな会社が、業績のいい会社なのでしょうか?
どの会社の業績がよく、会社が【上りのエスカレーター】になっているかは、会社の売り上げと営業利益を見ればザックリわかります。
普通、小さい会社より大きい会社、売上高、営業利益高の多い会社などが【良い会社】として思い浮かびます。
また、つい最近できた会社より、歴史のある安定した会社のほうが良いと考える場合もあると思います。
でも、年収が上がりやすい会社は、大きいとか歴史があるとか必ずしもそのような条件とは限りません。
業績が上り調子な企業が、年収が上がりやすい会社になります。
それが、上りのエスカレーターです。
今回は、投資家向けの、マネックス証券 銘柄スカウターを使用して、ドラッグストア各社の売上高と営業利益高の推移を確認してみたいと思います。
今回比較対象とする銘柄 ドラッグストアを代表する6社 マツキヨやウエルシアなど
- マツキヨココカラ(3088)
- ウエルシアH(3141)
- コスモス薬品(3349)
- スギH(7649)
- サンドラッグ(9989)
- ツルハH(3391)
マツキヨココカラ △
売上高、営業利益とも右肩上がりだが、営業利益の伸びが鈍化傾向なため、人件費を下げる力が働き始めている可能性もあります。
ウエルシアH ×
売上高は右肩上がりだが、営業利益が2023年2月を境に低下傾向です。人件費削減圧力がすでに働き始めていると予想
コスモス薬品 △
売上高、営業利益とも右肩上がりだが、営業利益の伸びが鈍化傾向なため、人件費を下げる力が働き始めているので、この先年収は上がりにくいと予想
スギH 〇
いろいろなウワサは聞きますが、売上高、営業利益ともに上昇トレンドです。
サンドラッグ 〇
売上高、営業利益ともに上昇トレンドです。
ツルハH ×
売上高、営業利益ともに下降トレンドです。もうすでに人件費削減圧力が働いていると考えられます。
各社の利益率でも見てみましょう。
各社の利益率を見ると、マツキヨココカラの利益率の高さが目立ちます。
もしすでに人件費削減済みで利益率が上がっているとすれば、この先の年収の上昇もあまり見込めず、士気の低下による業績低下の恐れもあります。
売上高と営業利益を転職先の目安にする意味
今回かなり乱暴な書き方をしていますが、あくまでも業績から推測されることであり、事実とは異なる可能性があります。
もちろん、下降トレンドの会社でも能力次第では年収アップは見込めるでしょうが、繰り返しになりますが、【上りのエスカレーター】と【下りのエスカレーター】のどちらが有利かという視点です。
これらの大手企業は上場企業であり、経営陣は市場からつねに価値の最大化を求められます。
もし、「うちは成長しなくても、従業員をしっかり食わせていけるだけの利益があればいい」なんて言ってしまえば、株は売りたたかれてしまい、経営陣は失脚してしまいます。
経営陣が常に業績の最大化を求められている以上、経費(人件費)を下げることが誰でも思いつく手段です。
業績を伸ばしつつ人件費を下げることができれば経営陣は評価されますが、うまくいくかは経営者次第です。慎重なかじ取りが求められます。
どのようなケースであれ、業績低下傾向→人件費削減傾向→年収上がらない会社という事実は覆らないと思います。
転職するなら、その会社の規模や強みだけでなく、上り調子であることを確認する必要があると言えます。
補足
大手上場企業においては、今後年収が上がりやすい状況は無さそうに見えます。
すると、最初に提示される年収が非常に重要になってきます。
一方、
株式非上場の薬局チェーンなどでは、「うちは成長しなくても、従業員をしっかり食わせていけるだけの利益があればいい」という男気溢れる社長の元で働けると、従業員満足も高いと思います。
ある程度スキルを身につけている方は、誰もが知っている上場企業ではなく、自分の能力を高く買ってくれる会社を丁寧に探すことが良いと思います。
転職活動は時間を味方につけることがベストではないでしょうか。
続編 準大規模ドラッグストアチェーン
- カワチ薬品(2664)
- クリエイトSDH(3148)
- 大木ヘルスケアH(3417)
- サツドラH(3544)
- クスリのアオキH(3549)
- ゲンキードラッグ(9267)
この中では、クリエイトSDH クスリのアオキH ゲンキードラッグが良さそうです。
続いて売上高営業利益率でみてみましょう。
利益率の高さとここ数年の上昇トレンドという視点では、やはりここでもクスリのアオキH 、ゲンキードラッグが良さそうです。
利益率の高さで言えば、クリエイトSDHもよさそうです。
カワチ薬品は一見上昇トレンドですが、売り上げが頭打ちの中、人件費削減などで利益率を伸ばしているようにも見えます。そして、利益率もあまり高くないため×寄りの△でしょうか。
クリエイトSDH クスリのアオキH ゲンキードラッグ 〇