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1. はじめに
2024年7月23日、日本でついにAmazonファーマシーがサービスを開始しました。
オンラインで処方薬を受け取れるこの新サービスは、業界に大きなインパクトを与えています。
しかし、実際の利用実績や利用者の評価がどのようになっているのか、まだ不透明な部分も多いのが現状です。
今回は、日本におけるAmazonファーマシーの利用実績や口コミを中心に、その実態を解説していきます。
2. Amazonファーマシーの概要
Amazonファーマシーは、Amazonジャパン合同会社が提供するオンライン処方薬配送サービスです。
利用者はオンライン診療を通じて電子処方箋を発行し、Amazonアプリを使って服薬指導を受けた後、提携薬局から自宅へ薬が配送される仕組みです。
提携薬局とサービス展開
サービス開始時には、全国約41都道府県・約2,500店舗の薬局が提携しており、アインHD、ウエルシアHD、クオールHD、新生堂薬局、中部薬品、トモズ、ファーマみらい、薬樹、ユニスマイルなど大手9社が参加しています。
2024年9月には日本調剤株式会社が11店舗での導入を発表し、これにより全47都道府県でサービスを提供できるようになりました。
3. 利用実績と現状の課題
利用件数とユーザー数
現時点では、Amazonファーマシーに関する公式な利用件数やユーザー数のデータは公開されていません。
しかし、オンライン服薬指導全体としては依然として低調で、2023年6月時点で全処方の0.04%に過ぎません。この背景には、電子処方箋の普及率が低く、対応医療機関が少ないことが影響しています。
電子処方箋の普及と利用率
Amazonファーマシーを利用するには電子処方箋が必須ですが、2024年9月時点で電子処方箋対応医療機関は、病院でわずか2%、診療所で4%程度にとどまっており、これが利用者数の伸び悩みに直接影響していると考えられます。
日本におけるオンライン服薬指導の利用状況
オンライン服薬指導そのものの利用状況を見ても、月間利用件数が16,852件（2023年6月）程度と低く、特に高齢者やデジタルデバイスに不慣れな人々にとっては、オンラインでの手続きがハードルとなっているのが現実です。
4. 利用者の口コミと評価
ポジティブな意見
「忙しくて薬局に行けない自分には便利」
慢性疾患を抱えるビジネスパーソンや育児中の親からは、時間や移動の負担が減ったという声が多くあります。「オンラインで完結するのがありがたい」
自宅から出ずにオンライン服薬指導を受け、そのまま配送してもらえる点が評価されています。
ネガティブな意見
「オンライン手続きが煩雑」
特に高齢者からは「オンライン診療や電子処方箋が難しく、使いにくい」との声も。「対応医療機関が少ない」
電子処方箋を発行できる医療機関が限られているため、そもそもサービスを利用できないケースが多いです。
5. 業界と社会へのインパクト
Amazonファーマシーの登場は、薬局業界にとって大きなインパクトとなっています。
Amazonというブランド力と物流ネットワークを活かして、処方薬サービスがより手軽に利用できる可能性を示しました。
しかし、日本特有の医療制度や高齢化社会を考慮すると、サービス普及のスピードは依然として緩やかです。
課題と今後の展望
電子処方箋普及の加速がカギ
政府も電子処方箋導入を進めていますが、現場での浸透にはまだ時間がかかりそうです。利用促進のための支援策が必要
高齢者が使いやすいインターフェースや、オンライン診療に対するサポートの充実が求められます。
6. まとめ
Amazonファーマシーは、日本の薬局業界において新たな風を吹き込む存在でありながら、その普及には課題が山積しています。
電子処方箋の普及が進み、利用者の利便性が向上すれば、オンライン服薬指導が日常的な選択肢となる可能性もあります。
これからの動向に注目しつつ、引き続き実績データを追いかけていきたいと思います。
参考資料
Amazon公式発表
など。
