こんにちは。薬剤師&ケアマネ卵&ブロガーのゆるやく
です。
漢方薬の調剤ミスと言えば、
1日3回 7日分でまとめてあるバンドルから
1日分抜き去るトラップを仕掛ける不届きモノがたまに発生します。
1枚抜き去りトラップは論外としても、似通った名前が多いため漢方薬は別物を調剤してしまうケースがよく報告されてます。
漢方の調剤 ミス有名どころ
68芍薬甘草湯と、23当帰芍薬散、60桂枝加芍薬湯
12柴胡加竜骨牡蠣湯と26桂枝加竜骨牡蛎湯
漢字というものは、パッと見で形で意味が伝わるものですが、
パッと見の誤解が発生しやすい
【芍薬】という漢字は引っ張られやす傾向なので、注意!!
特に、同様に、
17五苓散と、56五淋散
10柴胡桂枝湯と11柴胡桂枝乾姜湯
対策 レセコン入力とチェックを完璧に
漢方の調剤 ミスヒヤリハット
ヒヤリハット報告を見ていると、
24加味逍遥散と54抑肝散
60桂枝加芍薬等と10柴胡桂枝湯
19小青竜湯と29麦門冬湯
100大建中湯と40猪苓湯
これらの間違えの特徴
- 名前が全く違うのにミスってる
- しょっちゅう間違えが起きている
- 一部間違ったものが混入する間違えが多い
ベテランの方は当然気づいていると思います
ツムラ漢方は、数字の1桁目が同じなら包装の色も同じ
という法則があります。
ツムラより
24番加味逍遥散と54抑肝散は同じ黄色の包装
色だけ見て別物を取るミスです
対策 箱の大きさや置き場所の工夫
漢方をすべての番号でフルラインナップ取り揃えしている薬局は無いと思います
先ほどの24番加味逍遥散と54抑肝散のケースと同様、19小青竜湯と29麦門冬湯
などでも、有効な対策があります
間違えの原因
- よく出る、19小青竜湯と29麦門冬湯に対して、20~28番の在庫が無ければ必然的に隣り合わせになってしまうことが考えられます
- よく出る、19番と29番だけ189包入り大包装で、
それ以外は42包入り小包装ということもあるとおもいます。
19番と29番がとなり合わないように、間にあえてほかの色を差し込む
19番を小包装、29番を大包装等、在庫の規格を変えてしまう
同じように
- 100大建中湯は、処方量も多く、箱をこじ開けてワシワシとつかんで調剤します
当然何箱も開けることもあるので、確認せずに同じ色の40猪苓湯を開けてしまうと考えられます - 100大建中湯とともに、末尾が0のものが間違われる可能性がありますが、その中でも
どの薬局でも大包装で在庫している確率が高い40猪苓湯が間違えて混入してしまうことが考えられます
対策としては、
100大建中湯小包装は84包入りの変な大きさの箱であることを利用
他のものと見た目でわかりやすく区別する
大建中湯だけ84包入りを採用すれば、何箱も開けるときにほかのサイズの箱を手に取ったら気づきやすいと思います
ちょっと開けるの手間だけど、箱ごと移動して調剤台の上で解体すれば以外と手間は変わりません
漢方の調剤 ミストラップ処方
127麻黄附子細辛湯と27麻黄湯
なれてない人が見たら、麻黄附子細辛湯って略して麻黄湯なんだね
なんて感じでスルーされたらたまりません
127麻黄附子細辛湯と27麻黄湯
上下左右に絶対に並べない、可能なら包装のサイズをそれぞれで変えるなど対策が必要
漢方の調剤 ミス安易なDo
16半夏厚朴湯と15黄連解毒湯
これば、番号が隣だからという理由ではないと思う
どちらも、めないや動悸などに使ったりすることがあるので、入力時に処方変更に気づかず
Doをしてしまった可能性が高い
たしかに目が疲れてくると、画数が多いともう同じに見えてしまう
同様に
20防己黄耆湯と78麻杏よく甘湯
どちらも関節痛に使うことがあるので、Doで処方入力を間違えたパターンと考えられる
漢方の調剤 ミス丸しか共通じゃない!!
7八味地黄丸と126麻子仁丸
「丸」
この漢字の持つ威力は凄いんだろう
これがヒヤリハットでよく報告されるようなので、「芍薬」とおなじように
この文字が出てきた時点で、引っ張られる文字として注意が必要です
まとめ
漢方の調剤ミスは、
- 似通った名前のレセコン入力間違え
- ピッキング時、量が多いと同じ色の包装が混入する間違え
この2つが最大勢力ですので、もし薬局内で漢方の調剤ミスが出た場合は、
レセコンの入力チェックと、棚の配置などの見直しの参考にしていただけたら嬉しいです