漢方はちょっと勉強してみたけど苦手です
何を勧めればいいか分かりにくい・・・
聞かれるのがちょっと怖いかも・・・
注意
まじめに漢方を接客販売している方には、突っ込みどころ満載だと思います。
今回は新人登録販売者さん向けなので、お許しください。
結論としては、
- 漢方薬の名前だけはスラスラ読めるようにする。
- お客さんの症状・体調をよく聞く。
- 漢方セラピー(クラシエ)の箱を見て対応する。
以上です。
それでは詳しく解説しましょう。
お客さんから信頼を得るために、漢方の名前がスラスラ読めるように
では次!
漢方薬は、お客さんの体調を把握することが重要、よく話を聞く
漢方薬は、〇〇病の薬という概念ではなく、○○体質の薬という感じでできています。
証とか気・血・水とかです。
(漢方セラピーHPより)
体調を聞いている間に、漢方セラピーの箱でどれがよさそうかチラ見
漢方接客の味方、【漢方セラピー】
漢方セラピーは、パッケージに分かりやすく症状や体質が書かれています。
パッケージの、赤くしるしをした部分です。
漢方セラピーの裏をお客さんと見ながら、どの症状がより多く該当するかチェックする。
そして、どれが合うかさらに絞ります。
「この裏に書かれている体質に合致すればするほど効きやすいので、一緒に確認しましょう」といってチェックしていきます。
漢方薬は、裏に書かれている体質に合致すればするほど効きやすい
上の赤くした部分です。
加味帰脾湯の場合は、不眠症でも
- 体力中程度
- 心身の疲れ
- 最近血色が悪い
これらがポイントになります。
漢方接客 実践編
ここからは、例を用いて実戦形式です。
漢方接客:具体例 眠れない人
漢方薬の接客で眠れない人の対応をすることは多いです。
病院用の薬は、どんな症状でもスパッと眠らせる一方、漢方は眠れない体調にアプローチして眠りやすいように導いてくれます。
漢方セラピーの不眠症ラインナップは次の3種類
(Amazonのサイトなどで商品の詳細がチェックできます)
加味帰脾湯
抑肝散加陳皮半夏
柴胡加竜骨牡蠣湯
- 貧血とかありますか?
- 怒りっぽくなったりしてしまいますか?
- イライラしがちですか?
- 持病はありますか?
ここで、
それならこちらの、「加味帰脾湯か抑肝散化陳皮半夏か、柴胡加竜骨牡蠣湯あたりになりそうですね。もうすこし詳しくお聞かせください」
こんな感じで漢方の名前をスラスラ読みながら案内します。
漢方薬は、【〇〇の薬】というものではなく、【○○な体調の人の薬】という選び方になります。
そのため、漢方薬はそれぞれの体調によって合う薬が変わってきます。
この裏面に書いてある内容が当てはまれば当てはまるほど効きやすいんです。
一緒に確認しましょう!
症状は同じ不眠でも、人によって合う漢方薬が違います。
確認しましょう。
こんな感じでそれぞれの裏面をお客さんと一緒に見て対応します。
加味帰脾湯 体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪く、ときに熱感を伴うものの次の諸症:貧血、不眠症、精神不安、神経症
抑肝散化陳皮半夏 体力中等度をめやすとして、やや消化器が弱く、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、更年期障害、血の道症、歯ぎしり
(注)「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。
柴胡加竜骨牡蠣湯 体力中等度以上で、精神不安があって、動悸、不眠、便秘などを伴う次の諸症:高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)、神経症、更年期神経症、小児夜泣き、便秘
こんな感じで、例えば、
- 体力が弱っておらず、「血圧が高め」なら柴胡加竜骨牡蠣湯
- そういえば便秘がちかも・・・という会話が当てはまっても柴胡加竜骨牡蛎湯です
一方、いろいろ考えて眠れない
- そういえば貧血がちかも・・・となれば加味帰脾湯です。
そして、使用するべき漢方が決まったら忘れずに伝えることがあります。
漢方接客で忘れずに伝えること
漢方薬は体質にアプローチするので、なるべくあなたの体調にあわせて選んだ不眠の漢方薬は○○です。
でも、漢方は実際のところ使ってみなければわかりません。
しばらく服用して効果が無ければ違うものに変更する必要があるのでまたご相談ください。
この場合、
- 効果がない
- 裏面に書かれている副作用が出ている
その場合は漫然と使用し続けないで相談してください。
補足:
本当の意味での漢方薬は、その人の体調に合わせて生薬の配合を調整します。
漢方医が問診して処方した漢方であっても、効かなければ再度修正を繰り返したりします。
調整を繰り返し、その人の処方を決めていきます。
つまり、ドラッグストアで売っている漢方薬がそのお客さんの体調に完璧に当てはまる確率はあまり高くありません。
一般向けに広く効果があるようにできています。
漢方薬は専門の漢方医でも一発で選択するのは難しいです。
なにがその人に合うかは、試して確かめるのが良いことを伝えましょう。
ここまでの漢方接客極意をまとめます。
極意1:最低限、漢方薬の処方名はスラスラ読めるように
極意2:体調をよく聞く。時間をかけて丁寧に聞く。
極意3:体調を聞いている間に、漢方セラピーの箱でどれがよさそうかチラ見
極意4:漢方薬は、その人の体調に合わせる必要があることを説明する
極意5:漢方セラピーの裏を見ながら、お客さんとどの症状がより多く該当するかチェックする。
ありがたや~~~~
何も覚えんなくていいというわけではないですよ~。
少しずつ漢方の特徴を覚えて、よりお客さんに合った漢方が勧められるようにしていきましょう。