意外と知らない 市販医薬品

ダマされた! ロキソニンテープは、病院よりもドラッグストアの方が効きそうな件

 

 

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もっとお得なショップがあるかもしれませんので、購入する際はサイト内でショップをご検討してからにしてください。

 

ロキソニンテープのシリーズから、ロキソニンテープEXが発売されました。

 

 

 

通常、市販の薬は病院用と比較して効果が落ちるかせいぜい同じというのが相場です。

でも、ロキソニンテープEXは違う??

 

市販品のロキソニンテープEXの方が病院用より、ロキソプロフェンの濃度が高いです。

 

でも、先走ってお客さんに「市販品の方が効くよ」と紹介すると、誤った情報を提供してしまいます。

薬剤師、登録販売者への注意喚起として今回記事にしました。

 

結論から言うと、病院用のロキソニンテープと、ドラッグストアのロキソニンEXテープとでは、効き目に大差なしです。

 

濃度が違うのに、効き目は同じとはどういうことでしょうか?

詳しく解説します。

 

 

病院用ロキソニンテープ50の成分

 

1枚(膏体質量1g)中

  • ロキソプロフェンナトリウム水和物 56.7mg(無水物として50mg)

https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2649735S2024_1_09/

 

わかりやすく単位をそろえて換算します。

(膏体100g)中

  • ロキソプロフェンナトリウム水和物 5.67g(無水物として5.0g)

ということです。

5gね! 覚えた?
病院用は5g 覚えた!

 

市販ロキソニンテープEXの成分

 

(膏体100g)中

  • ロキソプロフェンナトリウム水和物 8.10g(無水物として7.14g)
  • トコフェロール酢酸エスチル 2.3g
  • l-メントール 3.5g

(トコフェロールとメントールは、ほとんど効き目に影響しないのでここでは解説は割愛)

 

市販品は7.14gです。
市販のロキソニンEXテープは7.14gね!

 

膏体100g中の有効成分ロキソプロフェンが、病院5.0gに対して、市販品7.14gです。

 

病院用のロキソニンテープより、ドラッグストアで売っているロキソニンテープEXの方が、成分が1.62倍濃いんです。

 

なんと、ドラッグストアで売っている市販品の方が病院用より濃度が濃いんですね! 意外です。

 

 

いかがでしたでしょうか。

ここまでだと、病院用ロキソニンテープよりドラッグストアのロキソニンテープEXの方がよく効きそうです。

 

でもここで落とし穴があります。

注意

病院用と市販用のロキソニンテープを、より詳しく比較

 

膏体100g中の有効成分ロキソプロフェンが、病院5.0gに対して、市販品7.14gです。

 

ここの、【膏体100g中】という表記がポイントです。

 

膏体とは、はり薬の薬の部分という意味です。

 

http://www.gaiyokyo.org/ より

 

膏体100g中の有効成分ロキソプロフェンが、病院5.0gに対して、市販品7.14gです。

この、膏体の量が、病院用と市販品で違います。

 

病院用のロキソニンテープ50の膏体は1.0gです。

ドラッグストアのロキソニンテープEXの膏体は、0.7gです。

つまり、

病院用のロキソプロフェンの量は、5.0g X 1.0=5.0g

ドラッグストアのロキソプロフェンの量は、7.14g X0.7 =4.998g→5.0g

 

何ということでしょう!

結局、病院用のロキソニンテープとドラッグストアのロキソニンテープは、有効成分の量が同じということです。

口をおさえる

第一三共さんに聞いてみましょう。

 

ロキソニンテープEXは、病院用のロキソニンテープより、ぱっと見成分が多いですが、何故このような改良をしたのですか?

 

膏体の成分濃度を濃くすることによって、厚さを薄くしてより自然な貼り心地を実現しました。

 

なるほど・・・そうきたか。

 

成分濃度を濃くすることで、病院用より効きそうなイメージを狙いました?

 

そういった目的はございません。

 

そりゃそう答えるわな・・・。

 

実際、病院用より市販の方が効くのですかという問い合わせは多いですか?

 

薬局様や、お客様から多く問い合わせを頂いております。

 

・・・。

 

いかがでしたでしょうか。

ロキソニンテープの違いを聞かれた時の注意点

 

最初に市販されたロキソニンSテープは、病院用と有効成分や量が全く同じです。

その次に発売された、ロキソニンEXテープは、有効成分の濃度がロキソニンSテープより濃くなっています。

売り場で、ロキソニンSテープと、ロキソニンEXテープの違いを聞かれたら、真っ先に成分を見ると思います。

Sテープは病院用と同じで、有効成分が100g中、5gね!

続いて・・・

EXテープは有効成分が100g中、7.14gね!

 

じゃあ、病院用ロキソニンテープより、市販のロキソニンEXテープの方が濃いから効くじゃん!

という風になってしまわないよう注意しましょう。

使われている膏体の量が異なるため、正味の成分量は同じです。

 

 

 

最後に

メーカーさんの苦しい言い訳に、騙された!!と思う方もいるかもしれません。

しかしながら、メーカーもできる努力で商品を改良していかなければなりません。

改良し新商品を出さなければ売り上げの成長も見込めません。

いたしかたないと思われます。

 

ここからは個人的考察です。

メーカーさんがこのような不毛な努力をしなければならない理由は・・・

市販薬(ドラッグストアーで販売できる薬)で、新しい成分の認可がぜんぜん下りないからです。

病院用の薬を市販できるようにすると、某圧力団体が全力でつぶしに来ます。

病院が儲からなくなりますからね。

メーカーはあれこれ知恵を絞って、限られた成分で新商品を開発するしかありません。

そんな不遇な環境の中、生まれてきたロキソニンEXテープです。

そんなわけなので、「はり心地が自然になっていい!」と、温かく迎え入れてあげましょう。

以上です