今回はちょっとあおり気味のタイトルです。
決して【ナリピタン】が悪いという記事ではありません。
いままでのナリピタンと、今のナリピタンは違うという結論です。
薬剤師や登録販売者の方はぜひ最後までご覧ください。
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もっとお得なショップがあるかもしれませんので、購入する際はサイト内でショップをご検討してからにしてください。
耳鳴り治療薬の【ナリピタン】
以前 小林製薬から発売されていました。
耳鳴りが治るからナリピタン。
とってつけたような名前はいかにもという感じです。
もともとパビロギン(原沢製薬工業)という商品でしたが、販売権を取得した小林製薬がナリピタンと命名して販売していました。
市販される薬では、耳鳴り治療薬はパピロギン(原沢製薬)しか存在しませんでした。
ある種、唯一無二のOTCでした。
そんな小林製薬の社内会議があったかどうかは分かりませんが・・・。
ナリピタン、小林製薬のネーミングにもかかわらずあまり売れなかったようです。
最近、元の販売元(原沢製薬工業)に販売権利が返却されたようです。
繰り返しになりますが、
このナリピタン、元は【パギロギン】という名称で販売されていました。
処方はこのような内容です。
パピロギン錠
●成分・分量
9錠中
ニコチン酸アミド 180mg、
カフェイン水和物 180mg、
パパベリン塩酸塩 45mg、
チアミン塩化物塩酸塩(ビタミンB1) 90mg、
リボフラビン(ビタミンB2) 9mg、
クロルフェニラミンマレイン酸塩 18mg、
アロエ末 18mg、
アミノ安息香酸エチル 270mg
あまり売れなかったパビロギンも、天下の小林製薬のネーミングになればヒット商品となるのでは?
そんな期待ももろく崩れ、最近古巣の原沢製薬工業に戻ってきました。
(古巣での会議 想像・・・)
そんな話し合いがされたのかはわかりませんが、【ナリピタン】名称は小林製薬のものなので、原沢製薬では使えません。
そのため、新たにナリピタン改め、【ナリピット】と命名されました。
つまりこういうことです
パピロギンS
↓
ナリピタン
↓
ナリピット
処方内容は・・・・すべて同じです。
パピロギン錠 ナリピタン錠 ナリピット錠
●成分・分量
9錠中
ニコチン酸アミド 180mg、
カフェイン水和物 180mg、
パパベリン塩酸塩 45mg、
チアミン塩化物塩酸塩(ビタミンB1) 90mg、
リボフラビン(ビタミンB2) 9mg、
クロルフェニラミンマレイン酸塩 18mg、
アロエ末 18mg、
アミノ安息香酸エチル 270mg
ここで一つ疑問が出てきます。
そうすると今小林製薬から販売されている(2022/4/27発売)【ナリピタン】は何者か?
実は、小林製薬のナリピタン
今までのものとは処方を変えて名前だけ復活して販売されています。
新しいナリピタンの処方はなんと・・・
当帰芍薬散です。
冷え性などで有名な当帰芍薬散、じつは耳鳴りに適応があります。
小林製薬から発売されているナリピタンは、当帰芍薬散
かつて販売されていたナリピタンは、
ニコチン酸アミド 180mg、
カフェイン水和物 180mg、
パパベリン塩酸塩 45mg、
チアミン塩化物塩酸塩(ビタミンB1) 90mg、
リボフラビン(ビタミンB2) 9mg、
クロルフェニラミンマレイン酸塩 18mg、
アロエ末 18mg、
アミノ安息香酸エチル 270mg
で、現在はナリピットと名前が変わっています。
薬局やドラッグストアで、ナリピタンありますか?と聞かれたときには注意が必要です。
昔のナリピタンを購入したい人は、ナリピタンではなくナリピットを選択しましょう!
逆に、昔のナリピタンが効かなかった人には、新しくなったナリピタンをお勧めしてもいいかもしれません。
(2022年4月末 小林製薬より発売)
ちなみに、原沢製薬工業のパピロギンですが、耳垂れ用の外用薬(パピロギン 点耳)も販売していました。
現在は、パピナリンという名前になって販売されています。
薬剤師や登録販売者の人は、ナリピタンを販売する時に、
今までのナリピタンを買いたい人→ナリピット(原沢製薬工業)
今までのナリピタンで効かなかった人→新しくなったナリピタン(小林製薬)
をお伝えできると良いと思います。
雑学
面白いものを見つけました。
これは、昭和16年6月の月刊誌に載っていた広告です。
なんと、戦前からパビロギンという名前で販売されていた、歴史のある薬だったんですね。
おそらくメーカーさんもこんな資料持ってないんじゃないかな?
当時は小林製薬でも原沢製薬工業でもないメーカー名のようです。
いろんなメーカーを渡り歩いているんですね!
以上蛇足でした。